毎年開催されている伊那食品工業主催の「伊那経営フォーラム」は昨年で11回目を迎えました。
数年前のフォーラムで、「私にも野心があった」と塚越会長さんが話した途端に1000人の会場がしーんと静まり返ったそうです。
「社内でも社外でも、いまだかつて一度も話したことがないことを、、今からお話しします。私には野心がありました。」
「それは、『社員をどれだけ大切にしても経営は成り立つ』ということを、この世で証明したかったということです。これが野心です」と。
周りからは「そんなことでは経営が成り立たない」、ならば「どんなに社員を大事にしても経営が成り立つことを証明しよう」と心に誓った。
会場では、会長のこんな野心があったのかと、何分の一かの聴講者が泣いていまいた。
すごい人物だと思います。その思いや人間性が、伊那食品工業の経営の基盤にあるんです。
‥‥‥‥‥以上、大久保寛司監修 映像本「いい会社をつくりましょう」より抜粋!
トヨタ自動車の豊田章男社長が何回も塚越会長から指導を受けて、「私の家庭教師です」といわしめ、トヨタ自動車や関連会社の役員が伊那食品工業に視察に来ているそうです。
なので、そんなに遠くない将来、トヨタ自動車を筆頭に、「人に優しい経営」というものが表に出てくるかもしれません。
しかし、塚越会長は「いい会社にするまで30年掛かった」と言われているように、社風は簡単には変える事はできませんが、まずはトップが、「いい会社にする」という決断することがスタートなんでしょうね。
伊那食品工業 塚越寛会長