「利益より教育が優先です」と玉川園長は言い切ります。
横浜にある障がい者と健常者が、ともに笑う幼稚園として知られる、「学校法人池谷学園 富士見幼稚園」を視察する機会を得ました。
現在でも、障がい児を受け入れない幼稚園の有る中で、1965年頃から受け入れているそうです。
症状の重い子は入園を断られ、医療機関と自宅の往復の生活しか選択肢がない。
そのような環境の中、今より更に偏見が強かった時代、障がいを持った子どもが入園するたびに、教員たちはその障がいに応じた準備を自発的に重ね、勉強のために、保育の時間をぬっては園を飛び出していきました。うちの教員たちの志の高さには本当に頭が下がります。
毎年恒例の運動会では、園児たちに考えさせ、妥協や説得を積み重ね、イベントを完成させることで、深みのある思い出とともに、園児たちを成長させることに重点を置く。
「形にとらわれない教育、良い教育方法があったらどんどん変えていきたい」と。
「感動エピソードを教えて下さい」と質問させていただいたところ、
「卒園した子ども達が、小学校の入学式で偶然に前後に並んだようです。別な列にならんでいた自閉症の子どもが列から離れ、二人の間に割り込んできたそうです。列にもどそうとした先生に、『僕たちが入学式が終わるまで見てます』と言という話しを聞いた時は、とっても嬉しかったです」と笑顔で話してくれました。