今日の産経新聞1面トップ記事に「たった一人の五輪ボイコット」と言う記事が掲載されていた。 埼玉県富士見市にある(有)辻谷工業の辻谷さんが作った砲丸が1996年アトランタから2004年まで3大会連続で金銀銅を取った選手が使っていたそうだ。 写真は技術ドットコム おもしろ教材集からお借りしました。 下記赤字は新聞記事の抜粋です。 「五輪の砲丸は、審査を経て認められた数社の製品が公式球となり選手は競技場でその中から使用球を選ぶ。アテネでは、決勝に残った8選手中7人が辻谷さんの砲丸を選択した。〜世界のトップ選手が『1〜2mは記録が伸びる』と評価する。〜なぜ伸びるのか〜砲丸の材質の鋳物には鉄だけではなく、青銅や銅、その他の不純物が混じり、冷却時にい残る空気のムラもある。完璧な球体だと重心が真ん中から大きく外れてしまうのだ。〜辻谷さんは手動の旋盤で比重のムラを見極め、右側の半球を薄めに、左は少し厚く・・・・といった応用が利くことだ」 ちなみに他国製はNC旋盤を使った完全な球体だそうです。 このオリンピックの砲丸投げの公式が日本の中小企業が手作りだという話しは結構有名な話しだと思います。 この辻谷さんが北京オリンピックには球を提供しないと言う。 「北京はやめました」 04年8月、サッカーのアジアカップが中国・重慶で開かれた際、現地サポーターが見せた日本に対するむき出しの憎悪。それが辻谷さんには気がかりだった。悩みに悩んだ末、4大会連続メダル独占の偉業を断念し、砲丸の卸先の運道具メーカーに北京五輪用は作らないと伝えた」 「砲丸は私の分身です。大事に使ってくれる選手には申し訳ないが職人としての意地があります」 「辻谷さんの砲丸が使われないことで記北京オリンピックの記録が少なくとも1mは短くなるとの予測がある」 「改めて日本人の中小企業の職人の手作くりによる商品が世界で活躍していたんだな」と言うことを思い出させてもらったと同時に北京ではその球が使えないのか」と言う寂しさを感じました。 やっぱりNC自動機械で作る品物も勿論,品質の良い物ができるとは思うけどそれ以上品質を要求す物は人間の手や目による職人的技術が要求されるんですね・・・・。 そう言えば以前静岡県浜松市にあるあるピアノメーカーの工場を見学したことがありますが最高級のグランドピアノは手作りだと言っていました・・。